建物基礎の種類と選び方徹底解説！不同沈下や軟弱地盤にも対応

建物の基礎は、建物を支える重要な部分であり、その種類によって建物の安全性や耐久性、そしてコストにも大きく影響します。
今回は、主要な基礎の種類である布基礎、べた基礎、杭基礎の特徴を解説し、最適な基礎を選ぶためのポイントをご紹介します。

建物の基礎の種類ごとの特徴

布基礎は比較的安価で木造住宅に最適

布基礎は、基礎の周囲にコンクリートの布状の壁を作り、その上に建物を支える構造です。
比較的安価で施工が容易なため、木造住宅で広く採用されています。
特に、小規模な木造住宅や、地盤が比較的良好な場所では、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えるでしょう。
一方で、地震や不同沈下に対する耐震性は、他の基礎の種類に比べて劣ると言われています。
そのため、地震が多い地域や地盤の弱い場所では、他の基礎の種類を検討する必要があります。
具体的には、木造住宅で延べ床面積が100㎡以下の場合、地盤調査の結果が良好であれば、布基礎を選択することが一般的です。
施工費用は、建物の規模や地盤条件によって変動しますが、概ね数百万円程度と想定されます。
工期は、地盤改良などの状況にもよりますが、数週間から1ヶ月程度を見込むのが妥当です。

べた基礎は耐震性が高く不同沈下に強い

べた基礎は、建物の基礎全体をコンクリートのスラブで覆う構造です。
布基礎に比べて、地震や不同沈下に対する耐震性、耐久性が高く、大型の建物や、地盤が不安定な場所にも適しています。
特に、重量のある建物や、地震の多い地域では、高い耐震性能が求められるため、適切な選択肢となります。
また、不同沈下による建物の傾きを防ぐ効果も期待できます。
ただし、布基礎に比べて施工費用が高く、工期も長くなる傾向があります。
施工費用は、建物の規模や地盤条件によって大きく変動しますが、数百万〜千万円規模になることが予想されます。
工期は1ヶ月〜2ヶ月程度を見込む必要があるでしょう。

杭基礎は軟弱地盤に適している

杭基礎は、地中に杭を打ち込み、その上に建物を支える構造です。
地盤が軟弱な場所、例えば、粘土質の土壌や、地下水位の高い場所などでは、他の基礎の種類では建物を支えることが困難なため、杭基礎が採用されます。
杭の種類や打ち込み深さなどは、地盤調査の結果に基づいて決定されます。
軟弱地盤への対応に優れている反面、施工費用が高く、工期も長くなる傾向があります。
費用は、杭の本数や長さ、地盤の状況によって大きく変動しますが、数百万〜数千万円規模になる可能性があります。
工期は、地盤状況や杭の種類によって異なりますが、数ヶ月〜半年程度を見込む必要があるでしょう。

基礎の種類をどう選ぶか

建物の種類と規模で基礎を選ぶ

建物の種類や規模によって、最適な基礎の種類は異なります。
例えば、小規模な木造住宅であれば布基礎が適していることが多いですが、大型の建物や高層建物であれば、べた基礎や杭基礎の方が適しているでしょう。
建物の重量や構造を考慮し、適切な基礎の種類を選択する必要があります。

地盤条件によって基礎の種類を変える

地盤条件は、基礎の種類を選ぶ上で最も重要な要素です。
地盤調査を行って地盤の強度や液状化の可能性などを確認し、その結果に基づいて基礎の種類を選択します。
軟弱地盤であれば杭基礎、比較的良好な地盤であれば布基礎やべた基礎を選択するといった具合です。

予算と工期も考慮する

基礎の種類によって、施工費用や工期は大きく異なります。
予算や工期を考慮し、最適な基礎の種類を選択する必要があります。
費用対効果を考え、自分の予算と工期に合う基礎を選ぶことも重要です。

まとめ

今回は、布基礎・べた基礎・杭基礎の特徴とメリット・デメリットを整理しました。
建物の種類・規模、地盤条件、予算、工期を総合的に判断し、最適な基礎を選ぶことが建物の安全・安心につながります。
専門家と相談しながら選ぶことをおすすめします。